大手企業がパーパスブランディングに取り組む理由とは?事例3選
大手企業がパーパスブランディングに取り組む理由とは?事例3選
最終更新:
2024/8/28

企業が単なる利益追求だけでなく、社会的な存在意義を社内外に向けて発信する「パーパスブランディング」が注目されています。そんな中、大手企業を筆頭にパーパスブランディングに取り組むケースが増えてきました。この記事では、企業がパーパスブランディングに取り組む理由と、実際に導入した事例を3つご紹介します。
パーパスブランディングとは社内外に向けて自社の存在意義をアピールし、共感を獲得することによって自社の価値を高めていくブランディング手法です。
ここで言うパーパス(purpose)とは、単純に目的という意味ではなく、「何のためにこの企業があるのか」という意味であり、企業理念やビジョンを内包する企業が目指すべき姿のことを指します。このパーパスをブランド戦略の中心として、パーパスに基づく施策を展開するという考え方がパーパスブランディングです。
わかりやすい例え話があります。
パーパスを北極星だとしましょう。昔の人は航海をする際、夜の海を北極星を目印に船を進めました。もし北極星がなかったらどうなるでしょう?その船は目的地とは違う方向に進んでしまうかもしれませんし、遠回りして進む可能性もあります。
企業にとってのパーパスもこの北極星と同じような意味があり、パーパスが企業の目指すべき姿だとして、船が会社、乗組員が社員だとしましょう。
パーパスがないまま船を漕ぎ続ける(会社を運営し続ける)と、目的達成までには大きな時間もコストもかかってしまいます。また目指すべき指標がないまま船を漕ぎ続ける乗組員(社員)たち。バラバラのタイミングで漕いでしまったり、中には放棄してしまう人もいるかもしれません。そうなるとより一層、目的地にはなかなか到着できず、最悪の場合には船が転覆してしまう可能性もあります。
パーパスを目印に、漕ぐタイミングを合わせながら最短ルートで進む船と、パーパスがないまま進む船、どちらが目的地に早く到着するでしょうか?
つまり、パーパスブランディングに取り組んでいる企業は取り組んでいない企業と比べて、圧倒的に優位であるということがお分かりいただけるかと思います。

大手企業を筆頭にパーパスブランディングに取り組む企業が増えてきました。その目的は様々ですが、主に以下の2点がポイントと考えられます。
消費者の価値観の変化に対応するため
投資家の評価基準の変化に対応するため
企業の存在意義に大きく関わる消費者と投資家の価値観や評価基準の変化に伴い、今後もパーパスブランディングの重要性はますます高まっていくと推測されます。
消費志向はモノからコトへとシフトしています。つまり、物質的な商品よりも経験に価値を感じる消費者が増えたということです。
パーパスは「WHY(理念と大義)」とも表現されます。これまでのモノを消費する社会では「WHAT」と「HOW」、つまり何をどのように売るかという考え方でしたが、現代ではなぜその商品を買うのかという「WHY」が明確でなければ、消費者には魅力が伝わりません。
特に、Y世代やZ世代と呼ばれる若い世代ほど、ブランドのストーリー性を重視する傾向が見られます。商品を選んでもらうためには、価格や機能性以上にパーパスを提示していくことが必要です。
また、最近では商品開発においてもSDGsやESGなど社会課題への取り組みの重要性が高まっているため、利益だけを求める企業に対しては投資家からの支持を集められず、資金調達が難航するといったことも珍しくありません。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響もこの傾向を後押ししており、パーパスを見つめ直す企業が増えてきています。
社会問題に対して自社のスタンスやポジションを明確にし、企業がどのように関わっていくのかを具体的に示して社会にPRすることが重要です。
パーパスブランディングを行うことにより、以下のような効果が見込めます。
採用、インナーブランディングに貢献
目指すべきゴールに最速で到達できる
中長期的な利益拡大、経営の安定化
採用に苦戦していたり、離職率が上がっていたり、管理職候補が育たない、社員エンゲージメントの低下など、様々な課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
そんな課題の解決につながるのがパーパスブランディングです。
「企業の存在意義・目指すべき方向性」を中心に、社内外に向けたあらゆる施策を展開していくことで、共感を生みます。
その共感こそが優秀な人材の採用やミスマッチ採用による離職減少、社員エンゲージメントの向上に繋がりますし、ひいては管理職候補の育成、事業継承にも寄与します。
そして前述の通り、パーパスを中心に社内外に向けた施策を展開していくことで、ブランド認知 、他社との差別化 、理念浸透による社内目的意識の改善=生産性向上などの効果をもたらします。
例えばブランド認知や他社との差別化が上手く出来た暁には、広告宣伝費が抑えられるだけではなく新規取引(新規顧客)の獲得にもつながり売上拡大にも貢献します。さらに社内で目的意識が改善されれば、今まで新製品の企画に今まで半年かかっていたところ、3ヵ月で開発に進むことができた等の効果にも期待ができるのです。
上記の2つの効果からもわかるように、パーパスブランディングの先には中長期的な利益の拡大、経営の安定化が見込めます。
パーパスブランディングに取り組んだとしても、当然すぐに効果が出るわけではありません。そして例えば翌年の採用では応募人数が2倍になったとして、それがパーパスブランディングの効果かどうか検証することも難しいです。
じゃあ取り組まなくてよいのかというと、そうではないということはご理解いただけるかと思います。

パーパスブランディングを成功させるには、定義したパーパスを中心に一貫性を持って企業活動をすることが重要です。ここでは、パーパスブランディングに成功した事例を3つご紹介します。
Amazonのパーパスは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」です。このパーパスを実現するためのミッションとして、イノベーションによって「品揃え」「価格」「利便性」を改善していくことを掲げています。
共働きで育児をする親や地方在住者、高齢者などあらゆる顧客の不便を解消するため、どんな人でもオンラインで欲しい物が低価格で手に入る仕組みを実現し、利用調査でもミッションである品揃えの豊富さ、低価格、利便性の高さが評価されており、ブランドイメージがパーパス通りに浸透しています。
コロナ禍によってオンラインでの買い物の需要がさらに高まりました。Amazonに対する社会全体からの期待はますます高まっていくと推測されます。
キリンが掲げるパーパスは「社会課題の解決に取り組むことで社会と共に成長する」です。
パーパスの実現のために「酒類メーカーとしての責任」を果たし、「健康」「コミュニティ」「環境」の社会課題に取り組んでいます。
この4つの要素にはそれぞれにCSV(Creating Shared Value)パーパスが設定され、社会と価値を共創し持続的に成長するための指針を設けているのです。
それぞれの社会課題に取り組むために主力商品があり、「健康」では機能性表示飲料の「イミューズ」、「コミュニティ」ではスリランカ紅茶農園支援につながる「午後の紅茶」、「環境」では再生プラスチックを活用した「生茶」があります。パーパスと商品のイメージがつながっているため、より強く印象づけることに成功していると言えるでしょう。
ソニーは新しいCEOが就任した2019年に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスを定義しました。また、合わせてバリュー(価値観)として夢と好奇心、多様性、高潔さと誠実さ、持続可能性の4つを掲げています。
新CEO就任から日が浅いに関わらず、パーパスが名ばかりではなく実際に企業活動の中心に据えられ機能している好事例です。
早期からイベントなどでも積極的にパーパスを軸にした経営方針を発信していたり、「消費者のストレス解消」という社会貢献のもと、予定通りにゲームを発売・映画の公開を行ったりすることで、2020年度には最高収益を達成しました。
パーパスブランディングは、企業の存在意義を示して社会からの信頼を構築するために非常に重要です。実現のためには社員の理解と協力が必要ですが、すぐに売上や利益に直結する施策ではないことから特に中小企業では浸透しにくいケースも少なくありません。
しかし、コロナ禍の現代ではさまざまな状況判断が求められます。何か課題が出てきたときに柔軟に舵を切るためにも、長期的な視点でパーパスに沿って行動し、企業の一貫性を保つことが大切です。
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