アース製薬が『ごっこランド』で取り組む、新しい虫ケア啓発 ~「知ってもらう」から「自ら使いたくなる」へ。行動変容を生む体験設計とは~
アース製薬が『ごっこランド』で取り組む、新しい虫ケア啓発 ~「知ってもらう」から「自ら使いたくなる」へ。行動変容を生む体験設計とは~
最終更新:
2026/8/24

昨年設立100周年を迎えたアース製薬株式会社。虫ケア製品をはじめ、入浴剤やオーラルケア用品など、暮らしに寄り添う製品を数多く手がける同社は、「地球を、キモチいい家に。」というコーポレートスローガンのもと、製品を売るだけでなく正しい知識を伝える「啓発活動」にも力を入れてきました。
今回は、アース製薬株式会社 新価値創造本部 上席執行役員 本部長の川口美香子氏に、長年取り組んできた虫ケア啓発活動の課題や、子ども向け社会体験アプリ『ごっこランド』を活用した新たな取り組みについて伺いました。
リアルな啓発活動とデジタル体験をどのように組み合わせ、子どもたちが楽しみながら正しい知識を身につけられる体験を設計しているのか。
ぜひ最後までご覧ください。
※本記事は、2026年7月13日に開催されたアース製薬株式会社・株式会社キッズスターによる公開インタビューの内容をもとに再構成したものです。


アース製薬株式会社 新価値創造本部
上席執行役員 本部長 川口 美香子 氏
京都大学大学院修了後、研究職を経て現職。「お客様目線による市場創造」というアースポリシーに基づき、お客様起点の商品開発をマーケ部門や研究開発部門で一丸で取り組んでいる。
──アース製薬様は、以前からリアルな啓発活動にも力を入れてこられたそうですね。
はい、啓発活動には以前から力を入れていますが、虫ケア製品ならではの課題も抱えていました。我々の調査では、夏場に日焼け止めを使う方が約70%(※1)であるのに対し、虫よけスプレーの使用率はわずか20%程度(※2)にとどまっていました。
背景には、お子様のいるご家庭特有の葛藤があります。ひとつは「子どもの肌に直接使っても大丈夫なのか」という安全面への不安。もうひとつは、お出かけ前に「塗りたい親」と「早く遊びに行きたい子ども」との間で繰り広げられる押し問答です。
こうした課題を解決するため、私たちは「アース虫ケアセミナー」や小学校への出前授業、科学館での特設イベントなど、リアルな場での啓発活動に力を入れてきました。口腔ケア啓発イベントの「モンダミンキッズイベント」は、累計23万人以上(※3)の園児に体験していただく活動に育っています。
ただ、こうした活動には「一度に接することができる人数にどうしても限りがある」という壁がありました。中身の濃いプログラムを持っていても、リアルなイベントや授業だけで日本全国のご家庭に届けるには、膨大な時間と人手がかかります。
長年研究所で製品開発に携わり、研究部門の責任者を経て、現在はマーケティングを統括する川口氏。
──そのご経験も踏まえ、『ごっこランド』の導入を決めた理由を教えてください。
私は長年、研究所にいましたが、アース製薬では、店頭でお客様に製品を直接説明する「推奨販売」を社員が行っています。私も実際に店頭に立ったのですが、お客さまは製品の裏面をじっと見つめて、使用方法などに本当に悩まれていました。そこで「ダニはカーペットなどにしがみつく力が強いから、まずダニ対策のスプレーで力を奪ってから掃除機で吸い取るんですよ」といった話をすると、皆さんものすごく納得して、感謝してくださるんです。
その経験から、「ただ店頭に製品を並べるだけではダメで、正しい知識を届けなければ、生活者の悩みは本当には解決できない」と強く感じるようになりました。ただ、啓発活動は真面目にやるほど、なかなか興味を持ってもらえません。テレビCMの15秒では、新製品を知ってもらうことはできても、対策の必要性まで伝えるのは難しいです。
それに対して『ごっこランド』は、子どもたちがゲームを通じて疑似体験をし、楽しみながら理解できる。この「自発的な体験価値の創出」ができるプラットフォームという点に非常に興味を持ち、導入を決めました。
────ゲームでは、虫よけやダニ対策の仕組みをどのように伝えているのでしょうか。
虫よけスプレーは独特の匂いで虫を遠ざけていると思われがちですが、実際は違います。蚊は人間が出す二酸化炭素や汗の匂い、体温などをセンサーで感じ取って寄ってくるのですが、虫よけスプレーの有効成分がそのセンサーを混乱させることで、蚊から人間を「見つけにくくする」というのが正しい仕組みです。
この仕組みを子どもたちにもわかりやすく伝えるため、ゲーム内では「虫よけを塗って、透明人間になろう!」という表現を取り入れました。
実際にリアルな啓発活動の場で、子どもたちに「透明人間になろうね」と声をかけると、ものすごく興味を持って進んで虫よけを塗ってくれるようになります。その反応をアプリの中でも再現したいと考え、このフレーズには特にこだわりました。
また、子どもたちが怖がらずに楽しめるよう、蚊の見せ方にも配慮しています。怖さを和らげながら、塗りムラなく虫よけを使うことの大切さが伝わるデザインに仕上げていただきました。
ダニ対策についても、「生きているダニは掃除機をかけるだけでは吸い取れない」という事実をもとに、「ダニ対策スプレーで弱らせてから掃除機で吸い取る」という正しい2ステップをゲームのクリア条件として組み込んでいます。
──実際に導入してみて、手応えはいかがでしょうか。
リリース後、小学1年生と3年生の姪と甥に勧めてみたんです。すると、他の企業のゲームも遊びながら、何度もアース製薬のゲームに戻ってきて繰り返し遊んでくれていました。子どもたちのリピート性の高さを目の当たりにして、しっかりと楽しみながら学べる体験になっていることを実感しました。
また、私たちは自社のゲームだけが遊ばれればいいとは考えていません。リリースにあわせて公式Xで『ごっこランド』自体を紹介するキャンペーンも自主的に実施しました。プラットフォーム全体の認知が広がることが、結果的に自社のゲームに触れてもらう機会にもつながると考えています。
さらに、デジタルとリアルを組み合わせた取り組みにも可能性を感じています。全国の商業施設で開催されている親子向けリアルイベント『ごっこランドEXPO』では、当社の虫ケア用品「マモルーム」を自由にペイントしてデコレーションするワークショップも実施しています。
アプリで遊んで興味を持ち、リアルイベントで実際に製品に触れる。そして、ご家庭での実践につながっていく。こうしたデジタルとリアルを組み合わせた体験は、『ごっこランド』ならではの価値だと感じていますし、今後さらに広げていければと思っています。
──最後に、今後の展望を教えてください。
冒頭でもお話ししたように、虫よけを使いたくても、お子様が嫌がってしまい、玄関先で押し問答になってしまうご家庭も少なくありません。
『ごっこランド』を通じて、子どもたちが楽しみながら虫よけの大切さを学び、親御さんが「はだまもした?」と声をかけると、お子様が「はだまもしたよ!」と自分から答えてくれる。そんなふうに、子どもたちが自発的に虫よけを使ってくれる世界をつくりたいと思っています。
虫よけは、虫刺されを防ぐとても大切なものです。現在20%程度にとどまっている使用率を、日焼け止めのように多くの方に使っていただける存在へ育てていきたいと考えています。
そして、お子様が自ら虫よけを使いたいと思うことで、お母さん・お父さんも無理に塗らせる必要がなくなり、親子の笑顔が増えていく。そんな世界を実現できたら嬉しいですね。
将来的には、「虫よけ」といえば「はだまも」と代名詞になれるような存在を目指していきたいと思っています。
アース製薬様が目指しているのは、製品を届けることだけではなく、子どもたちが楽しみながら正しい知識を身につけ、自ら行動できるようになることです。
キッズスターでも、『ごっこランド』を通じて未就学児・小学校低学年に届けてきた学びを、中学生・高校生へとつなげる取り組みとして、今年度から探究学習を通じた「企業共創プログラム」を開始しました。
子どもたちの成長に合わせて学びの機会をつなぎ、企業が伝えたい想いや社会課題への取り組みを、長期的な学びとして届けていく。アース製薬様との取り組みも、その一歩です。
「楽しい体験」が「正しい知識」へ、「正しい知識」が「自ら行動する力」へ。そして、その行動が親子の笑顔につながっていく。そんな未来の実現に向けて、これからもアース製薬様とともに、新たな啓発のあり方を育んでいきます。
※1 2023年ネオマーケティング調べ 日焼け止めに関する意識調査 全国の20歳以上69歳以下の男女で、日焼け止めの使用経験有かつ「日焼けしたくない」と回答した方n=1000「1年を通してほぼ使用」「紫外線が気になる時期だけ使用」「屋外レジャーやイベントなど、長時間外にいるときだけ使用」計
※2 2025年9月アース製薬調べ n=1000 虫よけ剤(直接塗布するもの)月1回以上使用率
※3 2025年12月末時点
ごっこランドについて
国内900万以上のファミリーが利用する社会体験アプリ「ごっこランド」。
実在する企業のお仕事体験などのコンテンツを通じ、インタラクティブに遊びながら社会のしくみを学べる国内最大級の知育アプリです。
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