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【導入事例】刃物の"正しい使い方"を子どもと親に届けたい。貝印が『ごっこランド』で取り組む、グローバル刃物メーカーとしてのブランディング 

【導入事例】刃物の"正しい使い方"を子どもと親に届けたい。貝印が『ごっこランド』で取り組む、グローバル刃物メーカーとしてのブランディング 

最終更新:

2026/8/20

【導入事例】刃物の"正しい使い方"を子どもと親に届けたい。貝印が『ごっこランド』で取り組む、グローバル刃物メーカーとしてのブランディング 

「ツメキリ」「カミソリ」「包丁」——。誰もが毎日のように手にしながら、実は正しい使い方を教わる機会が少ないこれらの道具。グローバル刃物メーカーとして事業を展開する貝印株式会社では、"当たり前"だからこそ伝わりにくいこの価値を、子どもを起点に届けたいという想いから、子ども向け社会体験アプリ『ごっこランド』への出店を決めました。

導入の背景にあった「認知の偏り」という課題や、ゲーム制作に込めたこだわり、出店から約1年で見えてきた成果、そして長期的なブランドづくりへの考えについて、マーケティング本部の平岩様、古旗様にお話を伺いました。


ゲスト紹介

右:貝印株式会社 マーケティング本部  / 広報宣伝部 次長 平岩暢氏
左:貝印株式会社 マーケティング本部 / 広報宣伝部 / マイスター推進部 プロジェクト管理 マネージャー 古旗里紗氏

【課題】年配層には知られていても、若年層には届いていなかった「グローバル刃物メーカー」というブランド

── 『ごっこランド』導入前、どのような課題を感じていましたか?

(平岩氏)貝印のロゴマーク自体は一定の認知がある一方で、年齢層が下がるほど認知率が低くなる傾向がありました。また、ロゴを見たことがあっても、それが貝印のものだと結びついていない方も少なくありません。

人によっても認識にばらつきがあり、「貝印はカミソリのメーカー」「包丁のメーカー」「キッチン用品の会社」といったように、一部の商品カテゴリーだけで認識されているケースも多くありました。つまり、認知のされ方にかなり偏りが生じていることが長年の課題でした。

貝印はポケットナイフの製造から始まり、カミソリや包丁などへ事業領域を広げてきたグローバル刃物メーカーですが、そのブランドの広がりが世の中に十分に浸透しているかというと、決してそうではありませんでした。

【導入の決め手】次世代との接点づくりを、デジタルで再び

── 若年層との接点という意味では、以前キッザニアにも出店されていたそうですね。

(平岩氏)はい。東京と甲子園のキッザニアに出店し、子どもたちとの接点をつくっていた時期がありました。ただ、その取り組みが終了して以降、若年層に継続的にアプローチする施策を十分に行えていませんでした。

当時、貝印のパビリオンを体験してくれた子どもたちも、今では社会人になる年代です。その一方で、その後の世代とは十分な接点を築けていなかったのではないか。『ごっこランド』のお話をいただいたことで、改めてその課題を認識するきっかけになりました。

── そうした課題を踏まえ、『ごっこランド』の導入を決めた理由を教えてください。

(平岩氏)子どもたちとの接点をつくってきた経験があったからこそ、「次の世代とも継続的につながる場が必要だ」という思いがありました。『ごっこランド』では子どもたちが日常的に遊んでいるアプリを通じて、貝印のものづくりやブランドの魅力を体験してもらえる点に魅力を感じました。これまで大切にしてきた「体験」を、今の子どもたちの生活にあった形で届けられると感じたんです。

── 社内での検討はスムーズに進んだのでしょうか。

(平岩氏)子ども向けの取り組みはこれまでも行ってきた実績があったため、「今の世代とは十分な接点を持てていない」という課題も共有しやすく、『ごっこランド』がその解決策になり得ることも説明しやすかったですね。上申にあたって特に苦労した印象はなく、社内の理解も得やすかったと思います。

(古旗氏)上層部にも子育て経験のあるメンバーやお孫さんがいるメンバーが多く、「親子で一緒に遊べるコンテンツ」というイメージが直感的に伝わりやすかったことも、後押しになったと感じています。


【コンテンツ設計のこだわり】「グローバル刃物メーカー」を伝えるため、ブランド全体を体験に落とし込む

── ゲーム制作でこだわった点を教えてください。

(平岩氏)一番大切にしたことは、貝印が"グローバル刃物メーカー"であることを子どもたちに知ってもらうことでした。料理をするお母さんの包丁、身だしなみを整えるお父さんのカミソリ、そして誰もが日常的に使うツメキリ。生活のさまざまな場面で貝印の商品が使われていることを、満遍なく表現したいと考えていました。包丁もカミソリもツメキリもバランスよく取り入れ、グローバル刃物メーカーとしての貝印を体験してもらえるコンテンツにしたいという要望を、企画段階からお伝えしていました。

── 細かい部分での工夫もあったそうですね。

(平岩氏)例えば、野菜サラダを作るコンテンツでは、包丁で食材を切る際にロゴが自然と目に入るよう、あえて包丁を内向きにしてもらいました。小さなことですが、ロゴをさりげなく登場させることで、少しでも知ってもらいたいというこだわりでした。

── 企画にはどんな方が関わったのですか?

(平岩氏)特定の部署が主導するというより、広報宣伝部が主管となって、社内の子育て中の社員からも幅広く声を集めながら進めました。ゲーム制作そのものはキッズスターさんの知見に委ねて、僕らは「グローバル刃物メーカーとしての見せ方」を随所に反映させていく、という役割分担でしたね。


【背景にある想い】「危ないから触れさせない」ではなく、正しい使い方を伝えたい

── 刃物を扱うコンテンツならではの難しさもあったのではないでしょうか。

(平岩氏)小さな子どもに包丁や刃物を持たせることへの不安は、多くの親が抱えるジレンマだと思います。だからこそ、『ごっこランド』のような疑似体験を通じて、正しい扱い方や安全な使い方を自然に学べる場をつくることに大きな意味があると考えました。

── 実際、爪を切ることを怖がる子どもも多いとか。

(古旗氏)そうですね。例えば学校や家庭で「爪切っといで」と言われても、正しい切り方を誰も教えてくれていないことに社員が気づいて、正しい爪の切り方を啓発しようという活動が始まりました。貝印では岐阜県関市の小学校で「正しい爪の切り方」を伝える出張授業(つめきり授業)を行っているのですが、アンケートを取ると、小学5年生になっても怖くて自分で切れないという子が多いんです。

(平岩氏)私自身も、「爪は切った方が安心だ」と分かっていても、つい「危ないから」と言ってしまうことがあります。でも、本来は正しい使い方を知り、それを子どもたちに伝えていくことが大切です。そうしたきっかけを『ごっこランド』でもつくれたらと思っています。


【成果】1年間で累計300万回プレイ。認知にも着実な変化

── 出店から1年が経過しました。手応えはいかがですか?

(古旗氏)2つのゲームコンテンツを合わせて、出店から約1年間で累計300万回プレイに達しました。季節によってアプリ全体のプレイ回数が落ちる月もありましたが、その中でも貝印のコンテンツは平均を上回るプレイが続いていて、新規ユーザーとリピートのバランスも非常に良いと感じています。この状態が2年目も続いていけば、「これだけ多くの子どもたちに遊んでもらっている」という実績自体が、営業の商談などでも活用できる材料になっていくかもしれません。

── ブランド認知の面での変化はありましたか?

(古旗氏)半年ごとに「KAI」ブランドと「貝印」という社名の一致度を独自に調査しているのですが、大きな変化ではないものの、数ポイントのプラスという結果が出ています。1年でブランド認知を大きく動かすのは簡単なことではありません。良くて現状維持、下手をするとマイナスになってもおかしくない中で、数ポイントでも上向いているというのは、決して小さな成果ではないと捉えています。

── 社内外での反応はいかがですか?

(古旗氏)社外では少しずつ広がりを感じています。例えば展示イベントで『ごっこランド』を紹介した際には、通りすがりの大学生が「あ、ごっこランドだ」と反応している姿を目撃し、小さい頃にやっていたのをずっと覚えていてくれるんだなと驚きました。また、大型タブレットを設置した際には、子どもが一生懸命遊んでいて、お母さんが「いい加減にして、もう行くよ」と怒ってしまうくらい夢中になって遊び続けている姿を目の前で見ることができました。

一方で、社内ではまだ『ごっこランド』への出店自体を知らない社員もいます。社内の掲示板などで発信はしていますが、「それ何ですか?」「こんなのあったの?」と言われることもあります。

今後は社内イベントなどでも活用しながら、まず社員自身に遊んでもらう機会を増やしたいですね。そのうえで、それぞれの部署が「自分たちのイベントでも使えそう」と考えてくれるようになれば、活用の幅もさらに広がっていくと思っています。


【子どもたち・保護者の声】「勉強になるからいい」——親子から届いたうれしい反応

実際の生活では「危ないから触らないで」と言われることも多い包丁などを、ゲームの中で疑似体験できることに楽しさを感じる子どもたちも少なくありません。普段はできないことを体験しながら、少しお兄さん・お姉さんになったような気持ちで遊んでくれているのかもしれません。また、親子で繰り返し遊ぶ中で、子どもの側から「爪はこうやって切るんだよ」と保護者に伝えるような場面もあります。子どもが学んだことを家庭の中で発信し、それが新しい会話につながっていく。そうした使われ方も、『ごっこランド』ならではです。そんな『ごっこランド』には、アプリ内から企業へ「お手紙」を送れる機能があり、日々、子どもたちや保護者からさまざまなメッセージが届きます。

── 印象に残っている子どもたちや保護者からの反応はありますか?

(古旗氏)小学校5年生のお子さんから届いた「家庭科で習った包丁のやり方とかがあったから遊べるし、勉強になるからいい。これからも続ける」という言葉が、とても強く印象に残っています。子ども自身の言葉で、遊びながら学べていることが伝わってきて、とても嬉しかったです。

ほかにも、「めっちゃくっちゃよかった!」と率直に感想を書いてくれたものや、お父さんと一緒にプレイしてハイスコアを競っていた様子がうかがえる手紙もありました。子どもだけで完結するのではなく、親子で一緒に遊びながら会話が生まれていることも感じます。


【今後の展望】社内での活用を広げ、その先の世代との接点へ

── 今後、社内での活用として期待していることは?

(古旗氏)まずは、社内でもっと『ごっこランド』の取り組みを知ってもらい、実際に触れてもらう機会を増やしたいと考えています。販促物の紹介や、タブレットを使った体験機会なども含めて、社内報や社内イベントを通じて活用方法を伝えていきたいですね。

そのうえで、社員が「自分の部署のイベントでも使えそう」と気づき、ファミリー向けイベントや営業活動など、それぞれの場で活用してもらえるようになると理想的です。

── 『ごっこランド』を卒業したあとの世代との接点については、どうお考えですか?

(古旗氏)私自身の考えではありますが、将来的には中学生や高校生といった世代とも接点を持てるといいなと思っています。私が所属するマイスター推進部は、包丁を研ぐプロフェッショナルがいる部署になるのですが、若手人材の確保は課題の一つです。

進学するか就職するかを考えるタイミングで、「そういえば子どもの頃、『ごっこランド』で貝印のゲームをやったな」と思い出し、それが貝印を知る、あるいは就職先として考えるきっかけの一つになってくれたら嬉しいですね。


(平岩氏)プレイヤーの方が小学校を卒業したあとも、何かのタイミングで「刃物といえば貝印」と思い出してもらえたらいいなと思っています。買い物をするときに「貝印を選ぼうかな」と思ってもらったり、将来、就職先を考えるときに貝印を思い出してもらったり。

そうしたことが実際に起きるには、長い時間が必要です。まだ取り組みは始まって1年ですので、これから継続していく中で、長期的なブランドとの関係性を築ければと思っています。

ごっこランドについて

国内900万以上のファミリーが利用する社会体験アプリ「ごっこランド」。
実在する企業のお仕事体験などのコンテンツを通じ、インタラクティブに遊びながら社会のしくみを学べる国内最大級の知育アプリです。

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