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大手企業が取り組むエシカルマーケティングとは?事例5選

大手企業が取り組むエシカルマーケティングとは?事例5選

最終更新:

2024/8/28

大手企業が取り組むエシカルマーケティングとは?事例5選

大手企業を中心に、昨今広がってきているのが「エシカルマーケティング」です。

先を見据えた成長戦略のためには、欠かせないキーワードの一つと言えるでしょう。

とはいえ、「エシカル」という言葉の意味について、「いまいち理解できていない…」という方もまだまだ多いのではないでしょうか。

本記事ではエシカルマーケティングに関する基礎知識やその必要性、大手企業による導入事例を紹介します。



エシカルマーケティングとは?

「エシカル」とは、日本語で「倫理的な」や「良識的な」を意味する言葉です。

つまりエシカルマーケティングとは「倫理的なマーケティング活動」のこと。エシカル消費は「倫理的な消費活動」を示しています。

エシカルという言葉は知っていても、なかなか理解を深められないのは、この「倫理的な」という言葉の意味をうまくイメージできないからでしょう。

これまで、企業活動や消費活動は、それぞれの「利益」のみを見据えて行われるのが一般的でした。

企業にとっては利益を上げることが最優先で、各種マーケティング活動もそのために行われてきました。

消費者にとっても、優先されるべき項目は自分自身にとっての「利益」だったのでしょう。

自分自身にとって有益であること、価格の安さなどが、何よりも重視されてきたのです。

しかし、こうした考えのもとで行われる経済活動は、世界中でさまざまな問題を生み出しました。

資源の無駄遣いやゴミの増加、環境破壊に労働者の人権侵害など…。

問題をこれ以上悪化させず解決へと導くために、必要なのが「エシカル」という視点なのです。

自身の利益だけではなく、良識やモラルにもとづいて責任ある経済活動を行うことで、持続可能な社会の実現へとつながるでしょう。

2015年の国連総会での「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」採択から、特にその流れは顕著になってきています。

自身の倫理観をもとに、世界が抱える問題に配慮した製品を選んで消費するのが「エシカル消費」です。

各種社会問題を直接的に解決できる製品を選択する以外にも、エシカルな視点での取り組みを、積極的に発信している企業の商品を選ぶという方法もあります。

エシカル消費への注目度が高まるにつれて、企業にとって重要な意味を持つようになったのが、「エシカルマーケティング」です。

企業の利益だけではなく、その社会的責任や各種問題に対する価値観や倫理観にもとづいたマーケティング施策を実施することが、重要視されています。

エシカルマーケティングを取り入れる意味や必要性

これから先を生きる企業にとって、エシカルマーケティングが重要だと言われる理由の一つが、ステークホルダーの意識変化です。

先ほどもお伝えしたとおり、エシカル消費の浸透により、顧客の意識は確実に変化してきています。

商品やサービスが多様化する今、その価格や表面上の魅力だけではなく、「背景」にまで注目するケースが増えているのです。

環境や社会にどの程度配慮できているのかが、商品やサービスを選定する際の指標の一つになるでしょう。

また投資家たちにとっても、「エシカル」は非常に重要なキーワードです。

持続可能性に配慮しない企業が、今後も同様の成長を続けていくのは難しいでしょう。

投資家たちからは、「エシカルな視点を持たない企業=今後の成長が見込めない企業」とみなされてしまいます。

顧客や投資家たちから支持され続けるためには、エシカルな視点を取り入れたマーケティング活動が必須だと言えるでしょう。

また企業にとって、エシカルマーケティングを導入するメリットは決して少なくありません。

私たちが直面している環境問題や社会問題は、世界共通のもの。

目の前にある課題から目を背けず、真摯に向き合う姿勢を示せば、競合他社との差別化につながるでしょう。

企業としての考え方や姿勢を明確にアピールすることで、企業のイメージアップにつなげられます。

またエシカル消費が広がっている今、エシカルマーケティングがきっかけで、これまでにはない顧客層の取り込みに成功する可能性も。

新たな顧客の開拓にも、エシカルな視点が一役買ってくれるでしょう。

エシカルマーケティングで注意するべき4つのポイント

ここからは、企業がエシカルマーケティングを実践する上で、注意するべきポイントを紹介していきます。

マーケティングを成功へと導くために必要な4つの注意点を挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。

透明性の確保

エシカルマーケティングを実践する上で、重要なのが「透明性」です。

不透明なマーケティング活動は、エシカルな視点で到底受け入れられないもの。

マーケティングを通じて、自社のイメージを損なう恐れもあるでしょう。

広告内容に虚偽が含まれていれば、顧客の信用を手にするのは難しくなります。

明確に虚偽とまでは言えなくとも、真実味のない数字や誇張された表現は、不信感につながるでしょう。

実際に、こうしたマーケティングを行う企業はまだまだ少なくありません。

だからこそ、透明性を意識したマーケティングで顧客の信頼を勝ち取る意義は非常に大きいと言えます。

嘘を伝えないことはもちろんですが、必要以上に過大な表現を避けることも重要です。

またときには、企業にとって不都合になり得る情報も正直に発信する必要もあるでしょう。

顧客に対して誠実な姿勢を貫くことで、長期的な視点で見たときのメリットは大きくなります。

持続可能性への配慮

エシカルマーケティングでは、持続可能性への配慮も必須です。

「今さえ良ければいい」という視点で目先の利益だけを追い続けるのは、リスクと言っても過言ではありません。

長期的な目線で、環境面への配慮や事業に関連する人への取り組みを形にしていくことが、重要なポイントになるでしょう。

顧客のプライバシーへの配慮

現代の消費者は、「自身のプライバシー情報」について非常に高い関心を寄せています。

マーケティングを行う上で、企業が顧客の情報を収集するケースは決して珍しくありません。

インターネットを使ったマーケティングが一般的になった今、そうした動きはより顕著なものと言えるでしょう。

だからこそ企業側は、顧客情報保護のために適切な取り組みを行い、それを目に見える形で発信する必要があります。

プライバシーポリシーの策定やデータセキュリティに対する取り組みの強化など、積極的に行っていきましょう。

また個人情報保護に関するルールは、国や地域によって詳細が異なる可能性も。

日本だけではなく海外での事業活動も視野に入れている企業は、該当地域のルールを正確に把握した上で、適切な対策をとる必要があります。

広告内容への配慮

最後は、企業として発信する広告の内容についてです。

先ほども挙げたとおり、顧客に対して不透明な広告内容を伝えるのは避けてください。

嘘や誇張はもちろん、誤解を招くような表現を避けることも重要です。

また商品やサービスの魅力を伝えようと、主観だけを伝えるのも悪手です。

根拠やエビデンスが不確実な情報を掲載するのも。エシカルマーケティングとは言えないでしょう。

インターネット上の大手広告配信プラットフォームの中には、誤解を招くような広告内容の排除に向けて、具体的な取り組みをスタートしているところも少なくありません。

倫理的な視点のもと、ステークホルダーからの信頼を損なわない形でマーケティングを続けていくためにも、「正しい情報」を発信できる広告内容を心がけましょう。

大手企業によるエシカルマーケティング事例5選

エシカルマーケティングの注目度が増していく中で、すでに実践している企業も少なくありません。

大手企業を中心に、具体的な事例を5つ紹介します。その手法や具体的なメリットなど、今後の指針として役立ててみてください。

パタゴニア

アウトドアウェアブランドとして、世界的にも人気のパタゴニア。

非常に早い時期からビジネスと環境保護の両立を目指し、具体的な取り組みを進めている企業です。エシカルマーケティングの先駆者と言っても良いでしょう。

労働力の搾取や大量生産・大量消費による環境破壊が問題視されるアパレル業界において、パタゴニアが表明しているミッション・ステートメントは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」です。

2018年より、気候変動問題の解決に向けてリジェネラティブ農業を推進。オーガニックコットンの生産だけではなく、土壌の修復・改善を通して自然環境の回復に努めることで、持続可能性を探っています。

労働力の搾取を避けるため、2014年からはフェアトレード運動に参加。

フェアトレード認証ラベルを取得した商品を販売することで、工場で働く労働者の生活を支援しています。

具体的には、フェアトレード・サーティファイド縫製ラベルの付いた製品ごとに賞与を支給。支払われた賞与をどう使うのかは、労働者自身が選択できます。

地球環境に配慮した原材料の調達や、労働者に配慮した経済活動の仕組みを、ウェブサイトを通じて積極的に発信しているパタゴニア。

エシカルファッションを代表するブランドとして、マーケティングに成功しています。

情報元:パタゴニア公式サイト

日本マクドナルド

日本マクドナルドが行っているエシカルマーケティング施策の一つが「ハッピーセットのおもちゃリサイクル」です。

ハッピーセットのおまけとして配布したおもちゃを、店頭の専用ボックスにて回収。

回収されたおもちゃは、商品を提供する際に使われるトレーへと生まれ変わります。

世界的にもプラスチックゴミへの関心が高まる中で、マクドナルドは子ども向けの施策を実施。

もともとファミリー層に支持されている飲食チェーンだからこそ、リサイクル活動をきっかけに、リピーター獲得へとつなげています。

日本マクドナルドの公式ホームページによると、2022年の回収おもちゃ数は約450万個。プラスチックのおもちゃを対象にしたリサイクルとしては国内最大規模の活動として、多くの顧客から支持されています。

情報元:日本マクドナルド公式サイト

スターバックスコーヒージャパン

スターバックスコーヒーでは毎月20日を「エシカルな日」と定め、店頭にて「フェアトレード イタリアン ロースト」をアイスコーヒーで提供しています。

その日の気分に合わせて、コーヒーを選べるのがスターバックスの魅力。

毎月決まった日付にフェアトレードコーヒーを提供することで、エシカル消費やフェアトレードへの興味・関心を後押ししています。

スターバックスでは、早い時期から原材料のエシカルな調達を遵守。

コーヒーだけではなく、お茶やココア、その他のさまざまな農産品について、エシカルに取引された商品を積極的に調達しています。

サステナブルでさらに品質の良い商品を長期にわたって提供し続けることで、顧客からの信頼を勝ち得ているのです。

大手メディアを通じたマーケティング活動を積極的に行っていないスターバックスですが、ブランドイメージについては非常に高い評価を得ています。

多くのファンを獲得できている理由の一つが、長く積み重ねてきたエシカルマーケティングなのでしょう。

情報元:スターバックスジャパン公式サイト

ネスレ日本

お菓子やコーヒーを販売しているネスレ日本。

エシカルマーケティングの一環として取り入れているのが、製品パッケージの変更です。

ネスレでは、「プラスチックパッケージを100%リサイクル可能に設計する」というコミットメントを明らかに。

すでに85%以上がリサイクル可能またはリユース可能で、2025年までには95%以上を実現できるとしています。

2020年には、主力商品の一つである「キットカット」のパッケージを、従来のプラスチックから紙へと変更しています。

パッケージの切り替えと共に、「#キットずっと」プロジェクトを実施。

人気モデルを起用し、「サステナブル」を学ぶためのドキュメンタリームービーを配信。

紙パッケージを使った「折り鶴」で新たなコミュニケーションの形を提案するなど、さまざまな施策を実施しました。

ネスレのマーケティングはSNS上でも話題になり、幅広い世代に注目される結果に。ブランドイメージ向上につながりました。

情報元:ネスレ日本公式サイト

People Tree(ピープルツリー)

ピープルツリーは30年以上にわたってサステナブルな取り組みを続けてきたエシカルファッションブランドです。

フェアトレード専門のファッションブランドとして、広く支持されています。

ピープルツリーの製品に使われるのは、オーガニックコットンなどのこだわりの天然素材です。

それぞれの土地に伝わる伝統技法を大切にし、丁寧な手仕事によって仕上げられます。

人にも環境にも健康的な方法で作られる製品には、他ブランドにはない魅力を備わっています。

時代に流されずエシカルファッションブランドとして確かな地位を築き上げてきたピープルツリー。独自の取り組みで他ブランドとの差別化に成功しています。

情報元:ピープルツリー公式サイト

まとめ

人々の価値観や行動基準が大きく変化している今、企業が成長し続けるためには、エシカルな視点が欠かせないでしょう。エシカルマーケティングについても、ぜひ本格的に実践してみてください。

エシカルマーケティングが成功すれば、企業や商品、ブランドには新たな「価値」がプラスされます。各社の取り組み事例も参考にしつつ、自社ならではのマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。

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