サステナブルブランディングとは?その目的と成功事例を紹介
サステナブルブランディングとは?その目的と成功事例を紹介
最終更新:
2024/8/27

環境問題に対する意識が世界的に高まるなか、「サステナブルブランディング」に取り組む企業が増えています。
しかし、これから取り組む場合には、やり方やアピール方法に迷うのではないでしょうか。
当記事ではサステナブルブランディングの概要や目的、注意点や企業の取り組み事例を紹介します。ぜひ自社のブランディングにお役立てください。
サステナブルブランディングは、持続可能な社会を目指す「サステナビリティ」の考え方に基づいた取り組みを通じて、自社や商品のブランド価値を高めることです。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
自然に配慮した材料の使用
再生可能エネルギーの使用
森林保護の取り組み
CO2排出量の抑制
サステナブルな取り組みを行うことで、環境問題への配慮という「社会貢献」とブランディングによる「自社の成長」、両方の達成が期待できます。
サステナブルブランディングは、企業の社会的責任と経済的利益の両立を目指す戦略的なアプローチといえるでしょう。

サステナブルブランディングが求められるようになった背景には、近年の環境問題や社会的課題に対する意識の高まりがあります。
2015年には、気候変動への対策として世界共通の枠組み「パリ協定」が採択されました。
パリ協定の採択により、企業には環境負荷の低減や持続可能な社会の実現に向けた取り組みが求められるようになったのです。
また同年、国連総会によって「持続可能な開発のための2030アジェンダ」としてSDGs(持続可能な開発目標)も採択。世界共通の目標となりました。
環境問題が深刻化すれば、企業の存続自体が難しくなる未来もあり得ます。そのため企業にもSDGsの達成に向けた取り組みが期待されており、ビジネス戦略に組み込む動きが広がっているのです。
サステナブルな取り組みは企業にとって重要な課題といえるでしょう。

サステナブルブランディングの一番の目的は、「長期的な企業価値の向上」です。ただし、細かく分けると以下のような目的で行う企業が多くみられます。
ブランドイメージの向上
消費者意識への対応
従業員の満足度向上
投資家や金融機関へのアピール
目的をはっきりさせることで、より具体的な施策を検討できます。
サステナブルブランディングを行うことで、企業は社会的責任を果たしているという好印象を消費者や取引先に与えられます。
たとえば「環境保護や社会貢献に積極的な企業」として認知されれば、ブランドイメージが高まり、より多くの消費者からの支持を得られます。
また、環境に配慮した商品開発やフェアトレードの実践などのユニークな取り組みをアピールすれば、企業の独自性を打ち出すこともできるでしょう。
さらに、サステナブルブランディングの影響はBtoC企業だけでなく、BtoB企業にもおよびます。近年は取引先企業も環境や社会に配慮した企業を選ぶ傾向にあるため、サステナブルな取り組みを行う企業はビジネスチャンスを拡大しやすいのです。
サステナブルブランディングに取り組む際は、企業は自社のサステナブルな取り組みや理念を消費者や取引先へ効果的に伝える必要があります。
BtoB企業とBtoC企業それぞれの取り組み例を、いくつか紹介します。
BtoB企業 | ・省エネになる設備の導入 |
BtoC企業 | ・再生材料で作られた商品の提供 |
高品質な商品が当たり前となった現在、消費者は自分たちの価値観に合致した企業の商品を選ぶ傾向があります。サステナブルな取り組みを効果的に伝えることで、企業は消費者から認められ、より求められる存在になれるのです。
サステナブルブランディングが成功して自社の認知度が高まれば、従業員の満足度も向上します。
環境や社会に配慮した企業として認知されると、従業員は自社に誇りを持ち、モチベーションを高く維持できるためです。
また、サステナビリティに積極的な企業は、志の高い優秀な人材を引き付けやすいという利点もあります。とくに、これからの企業を担うY世代(1981〜1996年生まれ)やZ世代(1997〜2012年生まれ)は、企業の社会的責任を重視する傾向があり、「自分の価値観に合致した企業で働きたい」と考える人が多いのです。
つまり、サステナブルブランディングにより従業員の満足度が向上すれば、離職率が低下し、優秀な社員を獲得できる可能性も高まります。優秀な社員が揃えば、自社の生産性や効率性の向上も期待できるでしょう。
サステナブルブランディングは、投資家や金融機関へのアピールという観点でも重要な役割を果たします。
なぜなら、近年投資家や金融機関は、投資対象の企業の評価にESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を重視するようになったためです。
ESGへの配慮は、企業の持続的な発展に欠かせません。ESGを考慮しないと「企業の長期的な成長が見込めない」と投資家・金融機関に判断される可能性もあります。
安定した投資を受けて企業を成長させるためにも、サステナブルな取り組みは欠かせないものとなっています。

サステナブルブランディングを行う際は、以下の点に注意しましょう。
自社の事業と一貫性のある内容にする
従業員の協力を得る
「SDGsウォッシュ」にならないようにする
自社の価値を上げるために忘れてはならないポイントを紹介します。
サステナブルブランディングを成功させるためには、自社の事業と一貫性のある施策を行うことが重要です。SDGsには17の目標があり、そのなかには環境問題に関連するものが複数存在します。企業は17個の目標から、自社の事業と親和性の高い目標を選択して効果的な取り組みを策定する必要があるのです。
施策と自社の事業に一貫性がないと、サステナブルブランディングの効果を得ることは困難です。ちぐはぐな施策は、消費者や投資家に対する訴求力を弱め、無関心を招く可能性さえあります。
また、環境問題への取り組みをブランディングに生かす場合は、他社との差別化も欠かせません。同業他社が行っているような一般的な取り組みでは、自社の独自性を打ち出せないためです。
サステナブルブランディングを試みる際は、自社のサービス内容や中長期計画と親和性の高い施策を設定し、独自性のある取り組みを行いましょう。
サステナブルブランディングの成功には、サステナビリティに関する従業員の理解と協力が欠かせません。施策を行う際は、取り組み内容や意義について従業員にわかりやすく説明しましょう。
従業員にサステナビリティを説明するには、以下のような方法があります。
社内向け説明会の実施
説明用動画の作成・活用
ワークショップ形式の研修実施
代表メッセージの発信
一度の情報発信で理解を得ることは困難なため、複数の方法を組み合わせて徐々に浸透するよう取り組んでいきましょう。
サステナビリティに関する社員の理解を深める際は、当サイトの別記事で紹介している「インナーブランディング」の手法も役立ちます。ぜひこちらの記事もお役立てください。
BtoB企業が実践するインナーブランディングの成功ポイントと事例2選
サステナブルブランディングを進める上で、企業は「SDGsウォッシュ」に陥らないよう注意する必要があります。SDGsウォッシュとは、対外的には環境問題に取り組んでいると発表していながら、実態が伴っていない状態を指します。
たとえば「環境にやさしい材料を使用しています」とサステナブルな取り組みをアピールしていても、生産過程で多くの有害物質やCO2などを排出している例です。自社の取り組みがSDGsウォッシュとみなされると、消費者や投資家、取引先などからの信頼を失うリスクがあります。最悪の場合、何も施策を講じていない企業よりも低い評価を受ける可能性もあるのです。
SDGsウォッシュを防ぐための代表的な注意点を3つ紹介します。
SDGsに関連する取り組みについて、実際のデータを添えた具体的な内容を開示する
SDGsへの理解を深め、他社のマネではない独自性のある取り組みを行う
取り組んだ内容について、自治体や認証機関などの第三者機関から認定を受ける
海外では、SDGsウォッシュと似た意味である「グリーンウォッシュ」に対して具体的な規制を設ける国・地域もあります。サステナブルブランディングを効果的に行うためには、SDGsの理念を深く理解し、実効性のある取り組みを着実に進めることが大切です。

ここからはサステナブルブランディングの事例を7社紹介します。
東レ株式会社
住友林業
大日本印刷
積水化学
JFEグループ
能美防災
タクマ
BtoB企業の例を具体的に紹介します。ぜひ自社の事例にお役立てください。
大手化学企業「東レ株式会社」(以下、東レ)は、地球規模の環境問題を解決するための革新技術・先端材料の開発に取り組んできました。
東レは2018年に『東レグループ サステナビリティ・ビジョン』を策定。そのなかで『2050年までにカーボンニュートラルの世界を目指す』と宣言しています。
具体的には、東レが持つ技術力を生かした以下のような取り組みを行っています。
環境にやさしいグリーン発電の効率を高める素材の開発
CO2資源化技術の開発・導入
原料のバイオ化・リサイクルの推進 など
また、カーボンニュートラルに向けた産官協働の取り組みとして設置された「GXリーグ」への参画、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づくレポートの開示などにより、サステナビリティについての情報開示にも積極的に取り組んでいます。
東レの事例は、自社の技術力をサステナブルブランディングに生かしているよい例といえます。
国内大手の木材建材商社「住友林業」は、「森林」「木材」「建築」の各分野で脱炭素に取り組んでいます。
同社の取り組みは森林保全、環境教育、事業活動におけるCO2排出抑制など多岐にわたるため、その一部を以下に紹介します。
再造林のために必要な苗の生産
二酸化炭素を吸収する保護林の拡大
紋別バイオマス発電所における石炭混焼率の大幅削減
これらの取り組みは投資家からも高く評価されており、住友林業は世界的に著名なESG投資の株式指標「DJSI World」の構成銘柄に選定されています(2023年12月発表)。
『木と生きる幸福』を掲げる住友林業にとって、地球環境保全は切り離せない課題です。これからもさらなるサステナビリティ経営が期待できるでしょう。
総合印刷会社「大日本印刷株式会社」(以下、大日本印刷)は、出版印刷業に加えて生活・産業事業やエレクトロニクス事業も手掛ける総合印刷会社です。
大日本印刷の事業において、「紙」は欠かせない原材料です。同社は森林資源の維持のために『DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン』を定め、古紙パルプを多く使用した用紙や森林認証紙の積極的な使用に取り組んでいます。
また、2023年には包装材を製造するグループ会社が、国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得。バイオマス剤・リサイクル材の使用をサプライチェーン全体で促進しています。
大日本印刷は、自社事業へ密接に関連した取り組みをサステナブルブランディングにつなげているのです。
社会インフラやエレクトロニクス、住宅建材などを手掛ける「積水化学工業株式会社」(以下積水化学)は、ESGを重視した企業です。同社は長期ビジョン『Vision2030』のビジョンステートメントを『"Innovation for the Earth" サステナブルな社会の実現に向けて、LIFE の基盤を支え、"未来につづく安心"を創造する』としています。
このビジョンに基づき、同社は『サステナブルな社会の実現』と『グループの持続的な成長
』の両立に取り組んでいます。
積水化学が手掛ける『サステナビリティ貢献製品』の一部は、以下の通りです。
エネルギー自給自足推進住宅「おひさまハイム」
耐火材料「フィブロック」
道路を掘り返さずに下水管をリニューアルできる「SPR工法」
航空機内装用熱成形加工用シート「KYDEX 航空機グレード」 など
積水化学の事例は、サステナブルな取り組みのなかで環境に優しい商品・サービスを提供することの重要性を示しています。
「JFEグループ」は、「鉄」の製造を事業の中核に位置付けているグローバル企業です。
JFEグループは、『環境・社会的持続性』と『経済的持続性』の確立を目標として、『JFEグループ環境経営ビジョン2050』を策定。2050年カーボンニュートラルの実現を目指しています。
具体的には、カーボンリサイクル高炉や清掃工場の排ガスに含まれるCO2を回収して利用する技術の開発、再生可能エネルギー発電などが挙げられます。
JFEグループの取り組みは、鉄鋼業という環境負荷の高い業界においてもサステナブルブランディングを行えるよい事例といえるでしょう。

「能美防災株式会社」(以下能美防災)は『火災から人々を守る』という使命を果たすため、社会に「安心・安全」を提供し続けている国内最大手の総合防災設備メーカーです。同社は、サステナビリティを高めるべく「サステナビリティ基本方針」を策定し、環境負荷の低減に取り組んでいます。
具体的な取り組みとしては、六本木ヒルズや新丸の内ビルディング、全国各地のサービスエリアなどで高い評価を受けている「ドライミスト」の開発や、リサイクルの推進、有害物質の適正処理などが挙げられます。
また、火災・災害の発生に備えた防災教育や防災訓練の助けとなる『めざせ!ぼうさいマスター!』というコンテンツ(パビリオン)を、子ども向け社会体験アプリ『ごっこランド』に出店しています。
同社のパビリオンでは、以下のゲームを楽しめます。
ひなんくんれんチャレンジ:避難する際の重要な点を体験できる
めざせぼうさいクイズおう:クイズを通して防災知識を楽しく覚えられる
災害から身を守り、住み続けられる街を作るには、次世代を担う子どもたちの教育が欠かせません。
能美防災のサステナブルブランディングは、事業活動での取り組みと子どもたちへの啓蒙活動を両立することで認知を向上させたよい事例です。

「株式会社タクマ」(以下タクマ)はごみ処理、水処理、エネルギーのプラントエンジニアリングを展開する企業です。
タクマグループは中長期の経営方針のなかで『ESG経営の推進によりお客様や社会とともに持続的に成長し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続ける』と掲げました。具体的な施策には、バイオマスや未活用の廃棄物を燃料とした発電プラントの提供や、CO2回収・利用技術の開発などが挙げられます。
また、タクマはサステナビリティをアピールするために「ごっこランド」に「まちをあかるくきれいに」というパビリオンを出店しています。
同社のパビリオンにおけるサステナビリティをアピールできるゲームは、以下の3種類です。
ごみはどこへいくの?:家から出たごみが処理されて発電に使われるまでの流れを学べる
クレーンのおしごとたいけん:発電するためのごみの分別と、ごみからの発電について学べる
はいガスをきれいに:排ガスをきれいにする工程を学べる
「環境について学ぶ」というと、子どもたちは難しく感じて敬遠しがちです。そこでタクマは、ゲームを通じて楽しく環境について学べる媒体を子どもたちに提供しました。
子どもを見守る親御さんも、タクマという会社やそのサステナビリティを認知できます。
タクマは、ごっこランドを通じてサステナブルブランディングを自然な形でアピールしているのです。

環境問題や社会的な課題への意識が高まるなか、サステナビリティに配慮した企業活動は欠かせないものとなっています。
弊社が提供するごっこランドは、サステナブルブランディングにも活用できます。
ごっこランドは、国内の子育て世代の3分の1が利用している、2〜9歳を対象とした子ども向け社会体験アプリです。
実在する企業のコンテンツを完全オーダーメイド開発で制作し、アプリの中で「パビリオン」という形で展開します。企業監修の元、ゼロから作るコンテンツだからこそ、企業メッセージや取り組みを子どもたちとその保護者に正しくわかりやすく伝えることが可能です。
企業のサステナブルな取り組みを発信する、という目的での参画はもちろん、ごっこランドへ参画すること自体が「次世代育成」や「SDGs4(質の高い教育をみんなに)」にもつながっています。
サステナブルブランディングの施策をお探しの方は、ぜひごっこランドもご検討ください。
ごっこランドについて
国内850万以上のファミリーが利用する社会体験アプリ「ごっこランド」。
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